5年後10年後 こどもたちが健やかに育つ会 にしあわくら

まとめ
2012年4月 のまとめ

西粟倉にもやっと春がきたなーと思わせる陽気で、パン屋さんの母屋の一室は明るく、子どもの笑い声(と泣き声)が響いて、「食べる」を考える会は、とても素敵な時間になりました。

今回は、食品由来の内部被曝を中心にお話をしました。「食べる」にまつわるたくさんのテーマを取り上げたいと考えていたのですが、例のごとく資料を作ってみると、どれも簡単に理解できるようなことではありませんでした。農薬のことを話そうとしても、今私が知っているのは聞きかじった情報ばかりです。他にもフェアトレードのことや、アレルギーのこと、食事と身体の関係など、みなさんとお話ししたいことはたくさんありましたが、あいまいな知識や情報を未整理のままに紹介するよりも、まずは私がお話できる内部被曝のことを勉強して、そのあとみなさんの「食べる」に対する日々の思いをお聞きすることにしました。焦らずに、これから時間をかけて、様々なテーマでまたみなさんとお話していこうと思っています。それまでに私も、勉強します。

この日は、前回も参加してくれた方や村内の方の他に、津山、総社、鳥取、まさかの山口(!)から来てくれた方も。村の子どもたちの大事な給食を考えてくれている栄養士の先生。つい先日、世田谷から私と同じように西粟倉に母子避難された方。「5年後10年後 こどもたちが健やかに育つ会」を最初に立ち上げた作家の廣瀬裕子さんも来てくれて、一緒にお話しすることができました。そして、たくさんの子どもたち。暖かく気持ちのいい庭で、知らない子と、年の違う子と、あちこちで元気に遊んでいました。すべてはこの子どもたちに繋がっていくんですね。

内部被曝のことを改めて詳しく調べてみると、前回の勉強会の資料を作ったときと同じように、新たな発見や気付き、再確認することがいくつもありました。本当に、放射線の影響は未知の世界です。専門家でもわからないのだから、私たちにわかるはずもありません。特に、長期にわたる低線量被曝については、とにかく経験やデータが少なく、「安全」「危険」という境界をはっきり断言することができません。年齢や性別、人それぞれで感受性も違います。過去の(今も続いている)悲惨なチェルノブイリの事例に見え隠れするわずかなヒントを、汲み取ることしかできないのです。

正しい知識がないままでは、周りの「安全」「危険」に振り回されます。正しい知識を得ることは、慌ただしい日常の中では少し面倒かも知れません。でも、知らなければ自分の中の基準値を決めることはできません。どうして自分の中の基準値が必要なのか。それは放射線や原発の正しい知識がなければわかりません。そのために私は、何度でも「最初の勉強会」をしようと思っています。

今回の資料には、食材ごとの汚染度や調理方法の工夫など、詳しい情報を入れました。「ただ漠然と東北、関東のものは食べない」ということになってしまうのは、もちろん国の検査体制の杜撰さ、信用のなさによるものです。それは決して「風評被害」ではなく、国の不誠実さに打ちのめされ、この原発事故が今も続いている状況で、真偽のわからない膨大な情報を前に、私たちが選ぶ当然の行動です。けれど、「イネに吸収された放射性物質は、実の方には全体の約10%しか移行せず、さらにそれを精米して水でとげばほとんど取れる」こと、「セシウムは水溶性のため油にはいかず、クリームは95%の除去率、バターにもほとんど移行しない。ホエーの部分に90数%が移行し、ホエーは乳清飲料やパン、お菓子などに使用されている」ことを知っている、ということは決して無駄ではありません。

東日本だけでなく、どこにいても食品からの被曝を避けられない世界になってしまった日本では、そういう知識を持った上で、その時々にできる最良の「選択」をしていくしかありません。この小さなひとつひとつの知識が、本当の意味での風評被害を考えるきっかけになり、放射線除去による栄養不足という本末転倒を回避し、食材選びのストレスを少し軽減し、なにより体内の被曝量を減らしていくことに繋がるのではないでしょうか。

今回集まってくれたみなさんは、食事に対する意識がとても高く、普段から農薬や添加物に気をつけたり、なるべく地元の農産物を選んだり、食事の内容によって体調管理されている方もいました。もちろん内部被曝を意識する声もありました。私自身も食事からの被曝をできる限り避けるようにしていますが、やはり「ただ漠然と東北、関東のものは食べない」ので、あれもだめ、これもだめとなりがちで、選ぶ食材も偏ってると思うことがあります。それに、ひとくくりに「東北、関東」としてしまうことにも違和感がありました。「自分の中の基準値」を明確にしていくためには正しい知識が必要で、それは放射能だけに限らずあらゆることに言えるのだと思います。

県内や近隣にあるオススメのお店や食材を教えてもらったり、村の給食の嬉しいこだわりを聞けたり、やっぱりアレルギーのお子さんが多かったり、マクロビオティックのお話をしたり、本当に楽しい時間を過ごすことができました。また次に繋がるような話題がいくつも出て、これからがすごく楽しみです。最後はみんなで玄米のおにぎりと、さつまいものお味噌汁を食べました。

いろんな「食べる」がありました。こだわり、妥協点、不安など、本当に人それぞれです。誰かを批判したり、自分の考え方を押し付けたりするのではなく、たまに寄って集まって、みんなで話して聞いて、一緒にごはんを食べること。そんな時間を、また作りたいと思います。

鈴木菜々子 2012/4/14

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先日お知らせした、「食べる」を考えて、そのあとみんなで食べる会。の日にちと場所が変更になりました。
参加するつもりで準備をされていた方には、ご迷惑をお掛けして本当に申し訳ありません。
日にちが変わりましたが、廣瀬裕子さんには予定通り参加していただけることになりました。
引き続き、参加ご希望の方は4/8(日)までにご連絡ください。

日 時:2012年4月14日(土) 10:00~12:00 ☆
場 所:軒下図書館(西粟倉駅近く、パン屋ユゴー・エ・レオ母屋2階)
参加費:500円(玄米おにぎりとお味噌汁つき!)
申込み:準備のために、4月8日(日)までに参加者のお名前と人数をお知らせください。
☆お話のあと、みんなで楽しくごはんを食べましょう!お椀とお箸、コップをお持ちください。お時間のない方は、お持ち帰り用にタッパーなどをご用意ください。
☆託児はありませんが、向かいの部屋が子供部屋になっています。

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